読書感想です。今回は森見登美彦さんの「四畳半神話大系」です。
ネタバレは含みません。
作品情報
- 作品名:四畳半神話大系
- 作者 :森見登美彦
- 出版社:KADOKAWA(角川文庫)
- 頁数 :416P
こんな人におすすめ
- 笑える小説が読みたい
- 明るい気持ちになりたい
- 何も考えずにただ楽しみたい
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
『私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。できれば1回生に戻ってやり直したい! 4つの並行世界で繰り広げられる、おかしくもほろ苦い青春ストーリー。』引用元:KADOKAWA
感想
本のタイトルが一見仰々しいですが、よく見ると可笑しなタイトルですよね。
読んだ後にこのタイトルを見るとなおさら可笑しく見えます。
本作は4話に分かれており、あらすじにも記載されている通り4つの並行世界(パラレルワールド)のお話で構成されています。
主人公は大学3回生の男子生徒。とある時点の選択によって分岐され、結末に至るまでの4つの青春ストーリーという内容です。
森見登美彦さんは文章が特徴的ですね。言い回しが独特で古風な雰囲気、丁寧に描写されていて場面がイメージしやすいのですが、基本的に内容は可笑しなこと言っているのでそのギャップがクセになります。
4つの話はいずれも、バラ色のキャンパスライフを夢見ながら、現実はなかなか思うようにいかずその苦悩に振り回される混沌の日々を過ごす主人公の様子が描かれている、という内容です。とにかく登場人物が魅力的でした。小津という主人公の友達が出てくるのですが、この作品のほとんどが小津でできていると思ったくらい印象的なキャラクターでした。基本的には狡賢い子悪党で突拍子もない方法で主人公を振り回すのですが、読み進めていくにつれてとんでもなくすごいやつに見えてきます。主人公はひねくれていますが純情なキャラクターで、その対比でそれぞれがより個性的に見えます。
本作は上に書いた通り構成が特徴的で、私はよくできているなと感心しましたしとても面白く読みました。一方で道筋はアレンジされていますが基本は同じような4つの話を読んでいるようで退屈に感じる方ももしかしたらいるかもなとは思います。4つの章の中でまったく同じ場面がいくつか出てきます。どのストーリーにも同じ着地点がいくつかあるということの表現だと思いますが、次の章ではどう話が繋がっていくのだろうと期待が膨らみます。また、パラレルワールドと言いつつ各章の繋がりみたいなものも節々に見受けられ、この作品全体としてどういう世界観なんだろうと不思議な雰囲気も漂っています。最終章はその集大成みたいな章で、突然のファンタジックなお話になるのですが、最終的に4つのどの話の道筋も主人公にとってそれはそれでよかったんじゃないかな、というノスタルジーに浸る感覚になりました。京都が舞台でその情景もこの作品の独特で古風な雰囲気を作る要素であると思います。
特徴的な構成のため世界観について深読みしたくなるような気もしますが、この作品は一風変わった面白可笑しい青春ストーリーとして真正面に受け取って楽しめればいい作品なのかなと私は思いました。
ちなみに私は第二話のお話が好きでした。第二話のタイトルのくだらなさとそこから生まれる登場人物間の妙な絆のようなものに、くだらないがなんか良い、というよくわからない感情を抱きました。
他の読者の感想
こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。
まとめ
以上、森見登美彦さんの「四畳半神話大系」の読書感想でした。
森見登美彦さんならではの特徴的な文章と笑える物語。気分を明るくしたいときにおすすめです。
未読の方は是非手に取ってみてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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