読書感想です。今回はアレックス・シアラーさんの「青空のむこう」です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。
作品情報
- 作品名:青空のむこう
- 作者 :アレックス・シアラー
- 出版社:求龍堂
- 頁数 :256P
こんな人におすすめ
- 家族や友達との関係にモヤモヤがある
この物語は「今伝えること」の大切さを教えてくれます。読み終えたあと、大切な人に思わず連絡したくなるような優しい気持ちになります。 心に刺さる青春ファンタジーを読みたい
ハリーの目線で描かれる“生と死”の世界は、シンプルな言葉ながらも核心を突いてきます。「死」を扱っていながら重くなりすぎず、むしろ前向きになれる作品です。読みやすくて泣ける一冊を探している
文体は軽快でテンポもよく、ユーモアも散りばめられているので、読書があまり得意じゃない人でもスラスラ読めます。それでいて感動のシーンではしっかり泣かされる。“泣けるけど、暗くない”本です。
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
『「とにかく、ぼくは死んでここにいる」突然の事故で死んでしまった少年ハリー。
あるときハリーは青空のむこうから地上に降りてくる。やり残したことがあるから……。
死んでいるのに、あっけらかんとしてユーモアたっぷりの主人公ハリー。
そのハリーが物語を通して、「生きている今が大切なんだよ」というメッセージを私たちに伝えてくれる、読後感の爽やかな感動の一冊。』
引用元:求龍堂
感想
幽霊の世界を描くファンタジー
死者の国と生者の国を舞台に、事故で命を落とした少年ハリーが、やり残した思いを伝えるために奮闘するファンタジーです。幽霊となった彼の視点から描かれる“死”と“後悔”と“再会”の物語は、笑いあり涙ありです。
姉エギーと最後に言い争ってしまったことを後悔し、死後の世界でもそれが消えず、「やり残した思い」が彼の心を縛ります。幽霊になったハリーは現世に戻り、姉をはじめ家族や友人たちに自分の気持ちをどう伝えるか模索します。声も姿も見えないなかでのコミュニケーションは難しく、ページを追うごとに胸が締めつけられます。
死者の国の描写には意外なほどユーモアがあり、「受付で名前を登録」「幽霊だらけの映画館」など、軽やかなタッチで描かれ、重苦しさを和らげています。
小さな後悔の大きさ
日常のちょっとした出来事も、終わり方次第で心に残り、取り戻せなくなる怖さを教えてくれる作品でした。
幽霊視点ならではの優しさ
声が届かない、でも想いは伝えたい――そんな切実さが伝わり、気づけば自分の家族や友人との関係を大切に思うようになりました。
ユーモアと哀しみのバランス
深刻になりがちな“死”というテーマを軽やかに処理しつつ、最後にはしっかり感動させる構成が秀逸だと思います。
全編を通じたメッセージ
「生きているうちに、大切な言葉はちゃんと伝えなくては」という、シンプルで普遍的なメッセージがストーリー全体を貫いています。
他の読者の感想
こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。
まとめ
以上、今回はアレックス・シアラーさんの「青空のむこう」の読書感想でした。
死者の国という非日常を舞台にしつつ、私たちの日常の中にある大切な気持ちにスポットライトを当てた作品です。軽妙な語り口と、そこから生まれる感情のコントラストが胸に残り、読後には「今、生きていることの尊さ」を改めて感じました。
未読の方は是非手に取ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。