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六人の超音波科学者/森博嗣 <あらすじ・感想・考察>Vシリーズ第7弾。孤立した研究所で発見される死体

読書感想です。今回は森博嗣さんの「六人の超音波科学者」です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。

作品情報

  • 作品名:六人の超音波科学者
  • 作者 :森博嗣
  • 出版社:講談社(講談社文庫)
  • 頁数 :424

こんな人におすすめ

 
こよい
  • Vシリーズ前作を読んだ
  • ミステリー小説が好き
  • 特殊な設定が気になる

特徴グラフ

※私個人の見方・感想です。

話の明るさ
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読み応え
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過激表現
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あらすじ

『閉ざされた研究所 発見される死体

土井超音波研究所、山中深くに位置し橋によってのみ外界と接する、隔絶された場所。所内で開かれたパーティに紅子と阿漕(あこぎ)荘の面々が出席中、死体が発見される。爆破予告を警察に送った何者かは橋を爆破、現場は完全な陸の孤島と化す。真相究明に乗り出す紅子の怜悧(れいり)な論理。美しいロジック溢れる推理長編。

引用元:講談社

感想

Vシリーズ第7作

本作は、山中にある土井超音波研究所で開催されたパーティ中に発見される死体と、研究所に通じる唯一の橋が爆破されて外界から隔絶されるという、典型的なクローズドサークルの設定です。 

登場人物たちは、研究所内で次々と起こる事件に直面しながら、それぞれの立場や思惑を抱えつつ、真相に迫っていきます。 

紅子をはじめとする阿漕荘のメンバーの活躍が描かれ、シリーズファンには嬉しい展開が続きます。 

緊張感と心理描写

本作の魅力は、閉ざされた空間での緊張感と、登場人物たちの心理描写にあります。 

また、科学的な要素や理論的な推理が織り交ぜられ、読者の知的好奇心を刺激します。 

トリックや謎解きの過程も丁寧に描かれており、ミステリとしての完成度も高いです。 

シリーズの中でも特に密室の謎や人間関係の描写が際立っており、読み応えのある一冊となっています。 


以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。

ここで一呼吸…
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感想(ネタバレ有り)

続きを読む ※ネタバレ注意

誰も殺していない

殺人が行われていることは明らかなように見えていたので結末は驚きでした。

そういう犯人がいると思っていたことから、紅子、練無、七夏が閉じ込められる場面は緊張感が大きかったです。

ただあの場面は犯人たちにとってはイレギュラーでした。

紅子がそのことを指摘して、練無が殺されかけたことに起こっていたのは印象的でした。どういう感情だったのでしょうか。

一つの遺体を二つに見せかけるなど、見える部分のトリックは面白かったですが、なんとなく無理があるような気もして、また動機も幼稚に感じられてしまった気がします。

今作はミステリーとしてというよりも、登場人物たちの心理描写や思考に触れる楽しみ方をするのが良いかもしれません。

他の読者の感想

こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。

読書メーター/六人の超音波科学者

まとめ

以上、森博嗣さんの「六人の超音波科学者」の読書感想でした。

ミステリーとしての完成度だけでなく、登場人物たちの繊細な感情が丁寧に描かれた一冊。Vシリーズを読み進めてきたからこそ味わえる深みがあり、シリーズファンには特におすすめの作品です。

未読の方は是非手に取ってみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。