読書感想です。今回は今村夏子さんの「星の子」です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。
作品情報
- 作品名:星の子
- 作者 :今村夏子
- 出版社:朝日新聞出版(朝日文庫)
- 頁数 :256P
こんな人におすすめ
- クセになるような低い温度、不穏さが続く小説を読みたい
- さらっと読める小説が読みたい
- 賞受賞、映画化もされた純文学作品を読みたい
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
林ちひろは中学3年生。病弱だった娘を救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込み、その信仰が家族の形をゆがめていく。野間文芸新人賞を受賞し本屋大賞にもノミネートされた、芥川賞作家のもうひとつの代表作。
引用元:朝日新聞出版
感想
あやしい宗教下の少女の視点
あやしい宗教にのめり込む両親を持つ少女の視点で物語は描かれます。幼い時からそのような環境で暮らしてきてそれが普通となりつつも、成長し触れる世界が広がるにつれて周囲とのギャップが目につくようになります。そのような状況が淡々と描かれていきます。
一定の低温度
あらすじからも感じられるように明るい雰囲気ではありません。少女の視点で日常生活を過ごす中にあやしい要素が付きまとってきます。あからさまな形ではなく、一見自然に見えるようなあやしさが延々と続いていきます。この一定の低温度感が印象的でした。
なぜか不快さが少ない
テーマから見ると子どもが虐げられるような不快さがありそうに思いますが、想像するような不快さは少なかったです。内外のギャップに戸惑い、自分の立ち位置を確かめるような複雑な状況にありながら、両側面を受け入れ、満たされている少女。両親があやしさを抱えていても、少女から見れば唯一の家族。この小説ではあやしい宗教というわかりやすい歪さを用いて、家族の在り方のひとつを描いているように私は感じました。
以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。
感想(ネタバレ有り)
他の読者の感想
こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。
まとめ
以上、今村夏子さんの「星の子」の読書感想でした。
未読の方は是非手に取ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。