あらすじ・読書感想・考察を記します。今回は織守きょうやさんの「花束は毒」です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。
作品情報
- 作品名:花束は毒
- 作者 :織守きょうや
- 出版社:文藝春秋(文春文庫)
- 頁数 :296P
こんな人におすすめ
- ミステリーが好き
- 静かな不穏さが漂う物語が好き
- 人間の心の闇や複雑さに興味がある
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
『罠、また罠。100%騙される、戦慄ミステリー!
「結婚をやめろ」との手紙に怯える元医学生の真壁。
彼には、脅迫者を追及できない理由があった。
そんな真壁を助けたい木瀬は、探偵に調査を依頼する。
探偵・北見理花と木瀬の出会いは中学時代。
彼女は探偵見習いを自称して生徒たちの依頼を請け負う少女だった。
ーーあの時、彼女がもたらした「解決」は今も僕の心に棘を残している。
大人になった今度こそ、僕は違う結果を出せるだろうか……。
背筋が寒くなる真相に、ラストに残る深い問いかけに、読者からの悲鳴と称賛続出の傑作ミステリー。』
引用元:文藝春秋
感想
不穏な雰囲気
読み進めるほどに胸の奥がざわつくような不穏さと、巧妙なプロット、衝撃的な結末が魅力なミステリー作品です。
物語は、法学部に在籍する木瀬芳樹が、中学時代の家庭教師であった真壁研一から「結婚をやめろ」という脅迫状が届いていることを知ることから始まります。真壁を助けたい木瀬は、探偵の北見理花に調査を依頼します。
息を呑む展開
読んでいる間、ずっと心のどこかで違和感を覚えながら、それが何なのかはっきりしないまま進んでいく感覚があります。
最後にすべてのピースがはまったとき、思わず息を呑みました。
決して派手な展開ではないのに、静かに、だけど確実に心を締めつけてくる…そんな余韻が残っています。
棘が刺さったまま
単なるミステリーの枠を超え、人間の内面や倫理観、そして「知ること」の意味について深く問いかけています。
この作品を通じて、人の心の奥底にあるものや、見たくない現実から目を背けることの意味について考えさせられました。
読後はスッキリするというよりも、自分の中に小さな棘が刺さったまま残るような感覚。でもその棘こそが、この物語の魅力なんだと思います。
以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。
感想(ネタバレ有り)
他の読者の感想
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※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。
まとめ
以上、織守きょうやさんの「花束は毒」の読書感想でした。
巧妙なストーリーテリングと深いテーマ性を持ち合わせた作品であり、読後には深い余韻が残ります。ミステリー好きのみならず、人間ドラマや心理描写に興味のある方にもおすすめできる一冊です。
未読の方は是非手に取ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。