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地雷グリコ/青崎有吾 -感想- 学園で繰り広げられるハラハラドキドキの頭脳ゲームバトル!

読書感想です。今回は青崎有吾さんの「地雷グリコ」です。
多くの評価を受けて話題になっている作品ですね。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。

作品情報

  • 作品名:地雷グリコ
  • 作者 :青崎有吾
  • 出版社:KADOKAWA
  • 頁数 :352P

こんな人におすすめ

 
こよい
  • 頭を使うゲームが好き
  • 「学園物」「ハラハラドキドキ」「頭脳バトル」と聞いて興味が湧く
  • 多くの評価を受けた面白い小説が読みたい
 

特徴グラフ

※私個人の見方・感想です。

話の明るさ
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5
読み応え
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5
過激表現
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4
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あらすじ

『射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。』

引用元:KADOKAWA

感想

奥深い頭脳ゲーム
じゃんけんして勝った手に応じて階段を進む「グリコ」。そこにルールが足されることで駆け引きのある知的ゲーム「地雷グリコ」に様変わり。ルールはすっと理解できるのに奥深いゲーム。地雷グリコ以外にもそのようなシンプルながら奥深いゲームが登場します。ゲームの名前だけでも少し興味惹きますね。

地雷グリコ
坊主衰弱
自由律ジャンケン
だるまさんがかぞえた
フォールーム・ポーカー

王道のハラハラドキドキ
主役の射守矢真兎が様々な敵と頭脳ゲームで勝負をしていきます。物語が進むにつれて現れる強敵、お互い譲らぬ駆け引き、劇的な勝負展開。まさに王道というようなハラハラドキドキが体験できます。

華やかな画
メディアミックスを見据えているかのような舞台設定、登場人物の華やかさがあります。主役は「射守矢真兎」。このように登場人物の名前も行き過ぎなくらいです。愉快な学園生活、緊張感のあるバトル。鉄板と言えるような学園ファンタジーの構成で面白くないわけがありません。

数々の賞受賞
・第37回山本周五郎賞
・第77回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉
・第24回本格ミステリ大賞【小説部門】
このような数々の賞を受賞しており、王道的なストーリーといえど登場するゲームの斬新さや物語の完成度は折り紙付きです。

以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。

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感想(ネタバレ有り)

続きを読む ※ネタバレ注意

射守矢真兎が魅力的
最後まで読んでもまだ底が知れない射守矢真兎が魅力的でした。全てを上回ってくる圧倒的強者感がたまりません。まさに王道ファンタジーの主人公という感じです。
敵キャラもみんなそれぞれが強者感を持っていて魅力的でした。段々と相手が強くなっていくという物語の作りも王道な印象でした。敵キャラながら悪者がいないということで気持ちよく勝負が見られました。特に雨季田絵空は真兎と同じように得体の知れない印象で、そのような者同士がぶつかり合う対決はどんな展開、結末になるのかととてもワクワクしました。

爽快な逆転劇
どのゲームも最後に一気に逆転するという展開でどれも爽快でした。それも射守矢真兎により全て最初から計算されていたというのもカッコ良いです。物語として射守矢真兎が勝つのだろうと予想は出来ても、この状況からどのように逆転できるのかと、その驚きを期待しながら読むことが出来ました。そしてどれもその期待を裏切らない驚きの逆転劇。特に印象的なのは最初の地雷グリコです。連続して地雷を踏ませる、それも一回だけではなく全ての地雷を、というその戦略と爽快な勝ち方で一気にこの本のファンになりました。

抜け道の探り合い
私なんかの凡人は説明されたルールの中でどうやりくりするかを考えるだけになってしまい(この物語に出てくるゲームくらいになるときちんとルールを把握することすら困難ですが)、説明されていない部分、ルールとして制限されていない抜け道のような部分を見つけて活用することなんてなかなか思いつきません。そんな戦略が多く見られてどれもその手法に驚きました。自由度の高いゲームもあり、自分だったらどうするかな、と考えながら読むのも楽しいですね。もしかしたら射守矢真兎以上の精度を持つ戦略があるかもしれません。

続編に期待
エピローグにも少しあったようにまだまだ物語が広がりそうですし、もっと青崎有吾さんの考える色んなゲームを見てみたくて仕方ありません。登場人物や世界観が魅力的なだけに、それらをもっと深堀して見てみたいという気持ちにもなりました。

他の読者の感想

こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。

読書メーター/地雷グリコ

まとめ

以上、青崎有吾さんの「地雷グリコ」の読書感想でした。
きっとメディアミックスとか展開されていく作品になるのではないでしょうか?未読の方は是非手に取ってみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。