読書感想です。今回は百田尚樹さんの「永遠の0」です。
映画化もされている超有名作品ですね。戦争を極限状況をリアルに描いた、多くのことを考えさせられる作品です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。
作品情報
- 作品名:永遠の0
- 作者 :百田尚樹
- 出版社:講談社(講談社文庫)
- 頁数 :608P
こんな人におすすめ
- 戦争の歴史や背景に興味がある人
- 人間の生き方や価値観に興味がある人
- 感動的なストーリーを読みたい人
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
『「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が浮かんでくるーー。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。』
引用元:講談社BOOK倶楽部
感想
戦争が題材
太平洋戦争中の零戦パイロット・宮部久蔵の生涯を、孫である佐伯健太郎と姉の慶子が戦後60年を経て追い求める物語です。
物語は、宮部の元戦友たちを訪ね歩く中で、彼の人間像や戦争の実態が明らかになっていく構成となっています。
リアリティを感じる形式
当時を知る人の証言という形で過去を見ているような形式で進んでいきます。
そういう形式であるからこそ実体験を聞いているような感覚で、戦争の状況やその時の人間の感情にリアリティを感じる表現になっています。
戦争の悲惨さ
物語を通じて、戦争の悲惨さや特攻隊員たちの苦悩が生々しく描かれています。
特攻作戦の非人道性や、若き兵士たちが強いられた過酷な現実には、胸を締め付けられる思いがしました。
また、戦後の社会が彼らをどのように扱ったのかを知り、戦争の残酷さだけでなく、人間の冷酷さにも考えさせられます。
生き続けるということ
宮部は、卓越した操縦技術を持ちながらも、「生きて、必ず生きて帰る。妻のそばへ、娘の元へ」という強い信念を抱いています。
生還を最優先とする姿勢から「臆病者」と評されることもありました。
しかし、その背景には、家族への深い愛情と、生きることへの強い執着がありました。
そして彼を待ち受ける運命。涙無しでは語れません。
本作は、戦争の実態や人間の尊厳、生きることの意味について深く考えさせられる作品です。
宮部の生き様を通して、命の尊さや家族の絆、そして平和の大切さを改めて感じました。
戦争を知らない世代だからこそ、この物語から学ぶべきことが多いと感じます。
以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。
感想(ネタバレ有り)
他の読者の感想
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※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。
まとめ
以上、百田尚樹さんの「永遠の0」の読書感想でした。
戦争の現実を知る。「生きること」と「死ぬこと」の意味を深く考える。家族愛。主人公の生き方が周囲にどのような影響を与えたか。この作品はエンターテインメント性が高い一方で、深いテーマを扱っているので、多くの人が得るものがあると感じられると思います。
未読の方は是非手に取ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。