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今月読んだ本をまとめてご紹介【2025年4月】

今月読んだ本をまとめてご紹介します。

シリーズ物は基本的に除きます。(1作目だけは紹介します。)

おすすめ度のランク付けもしてみます(個人的な好みという意味合いが大きく、出来を評価するものではありません、というか私にはそんなことできません)。

選書のご参考になればうれしいです。

それではどうぞ。

1.魔法があるなら/アレックス・シアラー [4.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

世界でいちばん素敵なスコットレーズ・デパートの時計が6時をさした。それは誰も想像できない、すごい冒険の始まりだった!

 デパートは、びっくりするぐらい広くて豪華で、たくさんの宝石や洋服やおもちゃ、食べ物と生活用品があふれている。でも、リビーとママと妹のアンジェリーンは、あまり裕福ではないから、その素敵なデパートで何も買ったことがなかった。それに3人は引っ越してばかりいて落着かない。リビーはいつか、その何でもそろっているデパートで、欲しいものを好きなだけ買いたいと思っていた。

 そんなとき、二人の子どもを深く愛しながらも、少し能天気なママが信じられない計画を立てた。それは……スコットレーズ・デパートに住むということ! デパートに住むなんて、そんなことありえない! でも、その晩、リビーたち3人に奇跡が起きた!

 ベストセラー『青空のむこう』のアレックス・シアラーが贈る、スリルとユーモアいっぱいの感動小説。

引用元:PHP研究所


 
こよい
大好きな小説。ちょっと変わった舞台設定のヒューマンドラマ。夢と現実が交錯する中で、大切なものが浮かび上がるような心温まる物語です。

感想記事:魔法があるなら/アレックス・シアラー <あらすじ・感想・考察> 夢と現実が交錯する。何でも揃う巨大デパートの中で生活する家族の物語

2.そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ [4.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『家族よりも大切な家族

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。

引用元:東京創元社


 
こよい
家族の在り方や人とのつながりについて考えさせられるとともに、心温まるエピソードが詰まっています。「もしこんなふうに人が優しさを渡していけたら」と、優しさや愛情の大切さを改めて感じることができる一冊です。

感想記事:そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ <あらすじ・感想・考察> こんなふうに人が優しさを渡していけたら

3.博士の愛した数式/小川洋子 [4.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

引用元:新潮社


 
こよい
数学の美しさと人間の絆を描いた感動的な物語です。全体的に静かで心が温まる物語なので、じっくり味わいたい人におすすめの作品です。

感想記事:博士の愛した数式/小川洋子 <あらすじ・感想・考察> 記憶が80分しか持たない博士との数字を通じて芽生える友情

4.猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子 [3.5]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『チェス盤の下に隠れている彼を、どうか見つけて下さい
伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの、ひそやかな奇跡を描き尽した、切なく、愛おしい、宝物のような傑作長篇小説

引用元:文藝春秋


 
こよい

独特の世界観と美しい文体が融合した作品です。チェスというテーマを通じて人間の内面や成長、孤独といった普遍的なテーマを描いています。じんわりと心に染みる物語が好きな人におすすめの一冊です。

感想記事:猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子 <あらすじ・感想・考察> チェスと静寂、成長しないという選択

5.カフネ/阿部暁子 [4.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。
やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。

最愛の弟が急死した。29歳の誕生日を祝ったばかりだった。姉の野宮薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなと会うことになる。無愛想なせつなに憤る薫子だったが、疲労がたたりその場で倒れてしまう。
実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。家まで送り届けてくれたせつなに振る舞われたのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手料理だった。久しぶりの温かな食事に身体がほぐれていく。そんな薫子にせつなは家事代行サービス会社『カフネ』の仕事を手伝わないかと提案する。

食べることは生きること。二人の「家事代行」が出会う人びとの暮らしを整え、そして心を救っていく。

引用元:講談社


 
こよい
人と人との関係がいかに複雑で、でもそれでも向き合う価値があるということを教えてくれる物語でした。喪失を抱えながらも再生しようとする登場人物たちの姿は、読後もしばらく心に残り続けます。誰かと生きるということの意味を、静かに、けれど確かに考えさせられた一冊でした。

感想記事:カフネ/阿部暁子 <あらすじ・感想・考察> 人とどう向き合うか。彼らの選択について考える。

6.流星ワゴン/重松清 [3.5]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った――。
僕らは、友達になれるだろうか?

死んじゃってもいいかなあ、もう……。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして――自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか――?「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。

引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい

家族の絆や人生の選択について深く考えさせられる作品であり、読後には心温まる感動が残ります。

感想記事:流星ワゴン/重松清 <あらすじ・感想・考察> 干渉できないタイムスリップから何を得られる?

7.天地明察/冲方丁 [4.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。

引用元:KADOKAWA


 
こよい
歴史小説ではありますが、万人の共感を得られる内容だと思いますので、歴史や科学に興味がある方だけでなく、これまで歴史小説に馴染みのないような方にも読んでほしい作品です。春海の生き様は、現代を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれます。

感想記事:天地明察/冲方丁 <あらすじ・感想・考察>暦を変えるために天地を知る。史実を基にした壮大な挑戦の物語

8.村上海賊の娘/和田竜 [4.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上 武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景(きょう)だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦(かんぷ)で醜女。この姫が合戦 前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。

引用元:新潮社


 
こよい
歴史的背景を活かしながらも、誰もが楽しめるエンターテインメント性を持った作品です。歴史小説に馴染みがない人でも、この作品をきっかけに新たな読書の楽しみを見つけられると思います。

感想記事:村上海賊の娘/和田竜 <あらすじ・感想・考察> 戦国時代の海戦と人間ドラマが熱い歴史エンタメ

9.謎解きはディナーのあとで/東川篤哉 [3.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

令嬢刑事×毒舌執事コンビの傑作ミステリ
国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。
『風祭モータース』の御曹司である風祭警部の下で、数々の事件に奮闘中だ。
大豪邸に帰ると、地味なパンツスーツからドレスに着替えてディナーを楽しむ麗子だが、難解な事件にぶちあたるたびに、その一部始終を相談する相手は”執事兼運転手”の影山。
「お嬢様の目は節穴でございますか?」
暴言すれすれの毒舌で麗子の推理力のなさを指摘しつつも、影山は鮮やかに謎を解き明かしていく――

引用元:小学館


 
こよい
執事・影山の毒舌と、お嬢様刑事・麗子のやりとりが絶妙。短編で読みやすく、テンポの良いストーリー展開は、心地よいものとなっています。気軽に楽しめるミステリー作品としておすすめです。

感想記事:謎解きはディナーのあとで/東川篤哉 <あらすじ・感想・考察> ユーモア×ミステリー、毒舌執事が事件を解く

10.一瞬の風になれ/佐藤多佳子 [4.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『「速くなる」 ――ただそれだけを目指して走る。 白い広い何もない、虚空に向かって……。 春野台高校陸上部。とくに強豪でもないこの部に入部した2人のスプリンター。ひたすらに走る、そのことが次第に2人を変え、そして、部を変える――。「おまえらがマジで競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説、誕生。 第28回吉川英治文学新人賞受賞 2007年本屋大賞受賞

引用元:講談社


 
こよい
全体的に前向きなエネルギーがあるので、読後感が爽やかで清々しい気持ちになれます。読んで元気をもらいたい人にはぴったりです。部活に熱中した経験がある人はもちろん、そうでなくても青春の輝きや仲間との絆を感じたい人におすすめの作品です。

感想記事:一瞬の風になれ/佐藤多佳子 <あらすじ・感想・考察> 爽やかで弾ける高校陸上の物語