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S&Mシリーズ/森博嗣- 全作品紹介!読む順番は?おすすめの作品は?

はじめに

すっかり森博嗣さんの大ファンになってしまった私。

始まりは「すべてがFになる」という作品を読んだこと。

言わずと知れた(私は読む前までは知らなかったですが)S&Mシリーズの第1作目です。

独特な雰囲気を持つ物語や登場人物たちの虜になりました。

シリーズを読破し一通り感想を記したところで、一度全作品について振り返って整理をしてみます。

S&Mシリーズとは

・シリーズ名は主人公である犀川創平「S」と西之園萌絵「M」に由来します。

・理系分野に関する話題がよく登場し、理系ミステリーと称されることをよく目にします。

・哲学的な思想の描写なども多く、ミステリーの枠を超え知的好奇心をくすぐられます。

全作品紹介(必読:☆)

1.すべてがFになる ☆


『(前略)孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。』
引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
シリーズ第1作目。シリーズの原点にして頂点(と私は思っている)。まずこの作品を読んでみないことには始まらない。カリスマ的登場人物とその思考に惹かれる。

感想記事:すべてがFになる/森博嗣 -感想- S&Mシリーズ第1弾。本格理系ミステリーはここから始まる

2.冷たい密室と博士たち


『衆人環視の密室殺人者の手口は!?低温度実験室の事件を推理する犀川助教授とお嬢様学生・萌絵
同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女2名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが……。究極の森ミステリィ第2弾。』
引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
シリーズ第2作目。実験室で起きる事件。まさに理系環境。シリーズ中ではわりとシンプルな本格ミステリー。

感想記事:冷たい密室と博士たち/森博嗣 -感想- S&Mシリーズ第2弾。密室の実験室で起こる本格ミステリー

3.笑わない数学者 ☆


『伝説的数学者、天王寺翔蔵博士の住む三ツ星館でクリスマスパーティーが行われる。人々がプラネタリウムに見とれている間に、庭に立つ大きなブロンズのオリオン像が忽然と消えた。博士は言う。「この謎が解けるか?」像が再び現れた時、そこには部屋の中にいたはずの女性が死んでいた。しかも、彼女の部屋からは、別の死体が発見された。パーティーに招待されていた犀川(さいかわ)助教授と西之園萌絵(にしのそのもえ)は、不可思議な謎と殺人の真相に挑戦する。』
引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
シリーズ第3作目。仕掛けが満載。一つの事件に収まらない充実感たっぷりのミステリー。

感想記事:笑わない数学者/森博嗣 -感想/考察- S&Mシリーズ第3弾。仕掛けられた逆トリックとは

4.詩的私的ジャック


『死体に残された傷は何を意味するのか!?女性が死んでいた。みな密室で。歌詞のとおりに1人、また1人。
大学施設で女子大生が連続して殺された。現場は密室状態で死体には文字状の傷が残されていた。捜査線上に浮かんだのはロック歌手の結城稔。被害者と面識があった上、事件と彼の歌詞が似ていたのだ。N大学工学部助教授・犀川創平とお嬢様学生・西之園萌絵が、明敏な知性を駆使して事件の構造を解体する!』
引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
シリーズ第4作目。密室、不可解な文字状の傷、歌詞に似た事件の状況、ミステリーとしてワクワクするような要素がたくさん。犀川先生と萌絵のドキドキ要素が多め。タイトルの語呂が良い。

感想記事:詩的私的ジャック/森博嗣 -感想- S&Mシリーズ第4弾。なぜなのか…理解できますか?

5.封印再度


『不可解な死と家宝の関係は?「天地の瓢」「無我の匣」。香山家に伝わる2つの宝と死の秘密とは
50年前、日本画家・香山風采(ふうさい)は息子・林水(りんすい)に家宝「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。2つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。』
引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
シリーズ第5作目。壺の中に壺の入り口よりも大きな鍵、鍵のかかった箱、壺を割って鍵を取り出してはいけない。パズルのような事件。犀川先生と萌絵の間で衝撃的な展開が。これまたタイトルが凝っている。

感想記事:封印再度/森博嗣 -感想- S&Mシリーズ第5弾。複雑で単純で不可解な真相

6.幻惑の死と使途 ☆


『天才マジシャン、死してなお奇跡を呼ぶ――
事件は、奇数章だけで描かれる。
「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻(ありさとしょうげん)が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か?幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する』
引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
シリーズ第6作目。派手で画が映える展開。爽快感は随一。次作と関連する構成も特徴的。

感想記事:幻惑の死と使途/森博嗣 -感想- S&Mシリーズ第6弾。天才マジシャンは遺体になってなお驚異の脱出劇を演じる?

7.夏のレプリカ ☆


『封印された夏の日の記憶!
眩い夏、不可解な誘拐事件、蘇る過去
真実は、偶数章だけで明かされる。
T大学大学院生の簑沢杜萌(みのさわともえ)は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧(もうろう)とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは?『幻惑の死と使途』と同時期に起こった事件を描く。』
引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
シリーズ第7作目。主役がS&Mではなく、理系ミステリーでもなく、密室でもないシリーズ中の異色作。終盤の探偵役vs犯人の場面は熱い。必見。

感想記事:夏のレプリカ/森博嗣 -感想- S&Mシリーズ第7弾。異色作。前作と同時系列で起きた誘拐事件。

8.今はもうない ☆


『嵐の山荘で起きた2つの密室殺人事件!隣り合った部屋で死んだ美人姉妹。40歳の私は、西之園嬢と推理する。
避暑地にある別荘で、美人姉妹が隣り合わせた部屋で1人ずつ死体となって発見された。2つの部屋は、映写室と鑑賞室で、いずれも密室状態。遺体が発見されたときスクリーンには、まだ映画が……。おりしも嵐が襲い、電話さえ通じなくなる。S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い清冽な森ミステリィ。』
引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
シリーズ第8作目。これまたシリーズ中の異色作。何が異色なのかは読まないとわからない。これまでの作品を読んでから読むことを絶対に推奨。

感想記事:今はもうない/森博嗣 -感想- S&Mシリーズ第8弾。シリーズのファンなら必ずハマる。

9.数奇にして模型


『密室の中には首なし死体と容疑者が
模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。』
引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
シリーズ第9作目。ここまでになかった構成で描かれるミステリー。緊張感がたまらない。独特な思想に触れることも魅力の一つ。

感想記事:数奇にして模型/森博嗣 -感想- S&Mシリーズ第9弾。怪しすぎて逆に怪しくない?正常と異常の違いとは。

10.有限と微小のパン ☆


『「F」から始まり今ここに終結、そして拡散?萌絵たちが訪れたテーマパークで次々と起こる不可解な事件の背後には。
日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は……。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。』
引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
シリーズ第10作目にして最終章。個人的には「すべてがFになる」に次ぐインパクトのある作品。英題を見るだけでもワクワクしてしまう。

感想記事:有限と微小のパン/森博嗣 -感想- S&Mシリーズ第10弾にして最終章。現実と虚構。天才との対決。

さいごに

シリーズとして並べてしまうと「全部読まなくては」という圧を感じて気が引ける方もいるかもしれませんが、「すべてがFになる」は読書好きな方なら一つの作品として読んでおいて損はないと思うので、少しでも気になる方は読んでみることをお勧めします。そこでハマれば、全作品楽しめることは間違いないと思います。読む順番は守った方が楽しめます。途中を飛ばしてもそれぞれの作品を読む上では支障がないと思いますが、やはり通して読むことで細かな繋がりを楽しめます。

S&Mシリーズと繋がりのある別シリーズもあるということで、まだまだ森博嗣さんワールドを楽しめると思うとワクワクが止まりません。