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鴨川ホルモー/万城目学 -感想- ホルモーとはなんぞや?

読書感想です。今回は万城目学さんの「鴨川ホルモー」です。
万城目学さんのデビュー作。第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞、本屋大賞候補にもなった作品です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。

作品情報

  • 作品名:鴨川ホルモー
  • 作者 :万城目学
  • 出版社:産業編集センター
  • 頁数 :283P

こんな人におすすめ

 
こよい
  • 明るい雰囲気の小説が読みたい
  • 少年漫画のようなワクワクを感じたい
  • 独特なファンタジー要素のある小説が読みたい
 

特徴グラフ

※私個人の見方・感想です。

話の明るさ
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5
読み応え
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過激表現
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あらすじ

『第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞作、万城目学デビュ-作!ホルモー? ホルモンではなく、ホルモー?かつての王城の地、ここ京都で脈々と受け継がれてきた「ホルモー」とはなんぞや!?主人公安倍は大学に入学して間もなく、京都青竜会と名乗る謎のサークルから勧誘を受ける。その新歓コンパで、安倍は同じ新入生の女子に一目ぼれしてしまう。一方で徐々に明らかになる サークルの隠された目的とは……。壮大なる歴史的スケールで冴えない大学生の悲喜こもごもの日常を描く、伸びやかで爽やかな青春小説!』

引用元:産業編集センター

感想

本のタイトルから内容が全く想像できないですよね。鴨川はいいとして「ホルモー」って何?ホルモンのこと?鴨川の焼き肉屋さんの話?何なの?っていう気持ちのまま読めば大丈夫でした。読めばおのずと「ホルモー」が何かを理解できます。どうして「ホルモー」なのかは置いておいて。

京都が舞台の独特な青春ファンタジー小説です。ファンタジー要素がかなりファンタジーなのですが、京都なら本当にあるのかもと思える絶妙さです。

ファンタジー要素は本作品のポイントではあるのですが、それと同時に青春らしさが心をくすぐります。羨ましくなるような爽やかさというより現実的な誰もが抱えたことのあるような焦れったさを含んでいます。空想と現実のバランスがなんとなく京都のイメージとぴったりな気がします。

話が進むにつれて雰囲気が変わり、ポップでおもしろおかしく進むのかと思いきや、ちょっとシリアスな雰囲気にも加わったり、胸アツの展開があったりと一冊で充実のエンターテインメント作品です。動きがコミカルなので想像しやすくアニメを見ているような感覚になりましたが、実写映画化されていますね。映像化するのに向いている作品なんだろうなとは感じました。

以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。

ここで一呼吸…
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感想(ネタバレ有り)

続きを読む ※ネタバレ注意

まさかの対戦型ゲームみたいな内容だとはおもいませんでした。まさかと言っても何かを想像できたわけではありませんが意表を突かれました。しかも可笑しな競技かと思いきや将棋やチェスを想像しつつスポーツを観戦しているかのような勢いのある勝負が繰り広げられ真剣に見入ってしまいました。

安倍はわかりやすい主人公でした。はじめは鼻フェチだったりが目に付き変わったキャラクターに見えましたが、だんだんよくあるシャイな男子学生らしさが出てきて身近に感じられました。早良京子は初めはヒロイン扱いでしたが、だんだんよくある女子大生だなというイメージになっていきました。安倍と早良の間で起きたことも学生ならよくありそうだなと思うようなことでした。

そのように登場人物が個性的すぎず人物間で起きることにもリアリティがあることで、その緩急でファンタジー要素が現実にうまく混じりそれさえもリアルなことのように思えてしまうように感じました。

中盤から終盤の友情努力勝利みたいな少年漫画みたいにわかりやすい人間関係や物語の展開もシンプルで好きでした。特に味方になってくれる人たちとの友情に胸が熱くなりました

そんな中キャラクターが際立っていたと思うのは楠木ふみでした。私は知略的なキャラクターが好きなので、最高にかっこよく圧倒的メインヒロインでした。なぜ京大青竜会にいたかという理由も序盤からわかりやすくはあり、ありきたりながらときめいてしまいました。眼鏡の中に可愛らしい顔、褒められて変わっていく姿というのもベタながら良いですよね。

 
こよい
それにしても「ホルモー」って言葉はどうやって思いついたんでしょうね?

他の読者の感想

こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。

読書メーター/鴨川ホルモー

まとめ

以上、万城目学さんの「鴨川ホルモー」の読書感想でした。
万城目学さんのデビュー作。タイトルとは裏腹にファンタジーでありながらとても分かりやすい物語で笑いあり感動ありのエンターテインメント作品でした。未読の方は是非手に取ってみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。