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十角館の殺人/綾辻行人 -感想- 衝撃のあの一行!日本のミステリー界に大きな影響を与えた超名作

読書感想です。今回は綾辻行人さんの「十角館の殺人」です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。

作品情報

  • 作品名:十角館の殺人
  • 作者 :綾辻行人
  • 出版社:講談社(講談社文庫)
  • 頁数 :512P

こんな人におすすめ

 
こよい
  • ミステリー小説の有名作品を読みたい
  • これから本格ミステリーを読み始めたい
  • 衝撃のどんでん返しを体感したい
 

特徴グラフ

※私個人の見方・感想です。

話の明るさ
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読み応え
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過激表現
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あらすじ

『十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!』

引用元:講談社BOOK倶楽部

感想

言わずと知れたミステリー小説の超名作です。映像化もされてまた話題になりましたね。

ミステリー小説に馴染みがない方にミステリー小説を紹介するとしたらこの作品が有力候補になるのではないでしょうか。私もこの作品で「ミステリー小説ってすごい!」と思い知りました。

シンプルで読みやすい文体、謎めいた孤島という舞台、個性的な登場人物、物語に入り込むのが容易でさくさく読み進めることができます。

物語の作りも特徴的で、ページ数からはボリュームを感じますが、退屈に感じることはありません。強いて言えば話が動き出すまでの最序盤が淡々としているように思えますが、話が動き出すと止まることなく先が気になる展開が続きます。

これだけ評価されているだけあり、物語は非常に面白いです。あまりネタバレなしに書けることはありませんが、よく目にする「衝撃の一行」の触れ込みは伊達ではありません。誰でもこの一行からまさに衝撃を受けるでしょう。

ちなみに私は再読しましたが、前回読んでから5年以上は開きました。できるだけ内容を忘れた状態で読みたかったからです。わりと新鮮に読めたものの、やはりぼんやり記憶から見えてしまいました。初めてその本を読むという一度しかない機会を大切に、ということを学びました

以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。

ここで一呼吸…
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感想(ネタバレ有り)

続きを読む ※ネタバレ注意

十角館の様子と外側の様子が交互に描かれます。初めのうちは外側から十角館での出来事の真相が突き止められていくのかな?くらいに思っていましたがまさかの繋がり方。まさに「衝撃の一行」に繋がる構成だったとは。私はすっかり油断して正面から衝撃を受けた感覚でした。

結局、中村千織という繋がりはあったものの、中村青司の事件と十角館殺人事件は全く関わりがないという事ですよね。外界の話からはその点がどう十角館の出来事に繋がるのかという方にまんまと意識を逸らされてしまいました。

結局全てが明らかになると動機や殺害のトリック自体はわかりやすくシンプルで、この叙述トリック部分を変に邪魔せず際立たせていて、その衝撃とその余韻を堪能できた気がします。

「衝撃の一行」を書いてしまうのは野暮なので書きませんが、映像化されると聞いて驚きました。どう再現されるのでしょう。

改めて読むと少し文章の荒さや登場人物の台詞が作り物っぽく違和感を感じる気がしないでもないです。また、登場人物があだ名で呼ばれるのも重要な仕掛けではあるものの、馴染みのない方はピンと来なかったりややこしく感じる部分があるかもしれません。とはいえいずれもこの物語の価値を下げるほどではない些細なことです。

そんなことはともかくやはりこの叙述トリックを生み出したことがこの作品がここまで評価される所以なのでしょう。アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせますが、「そして誰もいなくなった」は原点であるとしてこの作品はその上位互換のように私は思います。

他の読者の感想

こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。

読書メーター/十角館の殺人

まとめ

以上、綾辻行人さんの「十角館の殺人」の読書感想でした。
未読の方は是非手に取ってみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。