読書感想です。今回は森博嗣さんの「冷たい密室と博士たち」です。
S&Mシリーズ第2弾です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限り見えませんので未読の方も安心してお読みください。
作品情報
- 作品名:冷たい密室と博士たち
- 作者 :森博嗣
- 出版社:講談社(講談社文庫)
- 頁数 :422P
こんな人におすすめ
- 本格ミステリーが読みたい
- S&Mシリーズ1作目「すべてがFになる」にハマった
- 理系っぽい世界観を体感したい
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
『衆人環視の密室殺人者の手口は!?
低温度実験室の事件を推理する犀川助教授とお嬢様学生・萌絵
同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女2名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが……。究極の森ミステリィ第2弾。』引用元:講談社BOOK倶楽部
感想
森博嗣さんのS&Mシリーズ第2作目です。
とある大学、密室状態の実験室で男女2名の大学院生が殺害される、という事件を描く作品です。
前作は常識に収まらない展開でミステリーというジャンルを超えた哲学味を感じましたが、本作はそれと比べると真っ当な本格ミステリーです。
前作の予想できないような衝撃を期待しながら本作を読むとイメージとは異なるかもしれません。ただ森博嗣さんならではの理系ミステリーであることには変わりなく、緻密な密室トリックとそれを追う理系頭脳な登場人物たちの論理展開に引き込まれます。前作でも感じることがあった緊張感や恐怖感のある場面が本作にもあり、自分がその場にいるかのような臨場感でドキドキしました。
密室トリックについては単純に納得させられたというかミステリー小説ならではのすっきり感は味わえました。実験室という特殊な環境が活用されていることも特徴ですね。ただ馴染みのない方はイメージしずらい舞台かもしれません。
人物が淡白に描かれていて人間味が見えづらい気もしますが、理系環境ってこんな雰囲気だよなとも思います。犀川ら主要人物が持つ価値観も独特で、なるほどと思う部分もあれば人間らしくないと思う部分もあります。そういうことも相まって全体的に世界の色味が薄く見えますが、時折挟まる犀川と西之園の微妙なやり取りが絶妙に色味を与えてくれています。また本作では犀川の人間らしさが見られる場面もあり親近感が持てました。
前作は言わずもがなというかちょっと別物ですが、本作は犯人の動機、事件に至るまでの背景は筋が通ってるようなそうでもないような、かなりさらっとしている印象でした。ただ本作で主に注目すべきはHowやWhoの部分なのかなとは思います。この辺は他の読者さんの感想を伺ってみたいところです。
シリーズ第一作目の「すべてがFになる」の読書感想記事もありますので良ければご覧ください。
【読書感想】【小説】すべてがFになる/森博嗣
感想(ネタバレ有り)
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※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。
まとめ
以上、森博嗣さんの「冷たい密室と博士たち」の読書感想でした。
「すべてがFになる」とはまた違った本格派です。独特な理系ミステリー是非味わっていただきたいです。
未読の方は是非手に取ってみてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。