読書感想です。今回は新川帆立さんの「先祖探偵」です。
ネタバレは含みません。
作品情報
- 作品名:先祖探偵
- 作者 :新川帆立
- 出版社:角川春樹事務所(ハルキ文庫)
- 頁数 :292P
こんな人におすすめ
- 探偵小説を読みたい
- 先祖を巡るという個性的なテーマに興味が湧く
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
『邑楽風子は、ジーンズしか穿かない。彼女は親を知らず、天涯孤独の身。東京は谷中銀座の路地裏で、先祖を専門に調査する探偵事務所を開いている。「曽祖父を探して」「先祖の祟りかもしれないので調べてください」……とさまざまな調査依頼が舞い込む──。宮崎、沖縄、岩手などで美味しい料理を楽しみながら、マイペースで仕事をする孤高のニューヒロイン。単行本時、続々重版した新たなハードボイルド小説の傑作。』
引用元:角川春樹事務所
感想
「先祖」を辿る探偵
この物語の中心にいる探偵は、一般的な探偵とは異なり、「先祖」を辿ることで事件の謎を解いていきます。新しい切り口を持ったユニークな探偵ものの作品です。
人々の家系や過去の出来事が今の問題とどう結びついているかを描写することで、単なるミステリーに留まらず、家族やアイデンティティといったテーマにも深く切り込んでいます。これにより、単に謎解きを楽しむだけでなく、登場人物たちの過去に共感し、物語が持つ人間味を感じ取ることができます。
プロセスが楽しい
特に印象的なのは、先祖を探るプロセスです。歴史的資料や系図の探索、家族の口伝など、探偵が用いる手法がリアルに描かれており、新鮮な驚きがありました。また、過去を掘り下げることで登場人物たちの内面が明らかになり、彼らの行動の背景にある動機や葛藤が浮かび上がる描写が面白いです。
旅行しているような気分にも
先祖を探る中で主人公の探偵は様々な地方に赴くのですが、そこでの人とのやり取りの中に出てくる方言や、その土地の食事の場面なども丁寧に描かれており、その土地の空気を感じさせてくれます。読み進める上で飽きさせず、また先が楽しみになるような要素になっていたように思います。
他の読者の感想
こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。
まとめ
以上、新川帆立さんの「先祖探偵」の読書感想でした。
単なる事件解決に留まらない奥深い物語で、歴史や家系に興味を持ちました。謎解きの楽しさだけでなく、人々の繋がりや過去の影響力について考えさせる作品として、非常に読み応えがありました。未読の方は是非手に取ってみてください。未読の方は是非手に取ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。