読書感想です。今回は浅倉秋成さんの「六人の嘘つきな大学生」です。
ネタバレは含みません。
2022年本屋大賞ノミネート & ブランチBOOK大賞2021受賞作
映画化決定!
作品情報
- 作品名:六人の嘘つきな大学生
- 作者 :浅倉秋成
- 出版社:KADOKAWA
- 頁数 :304P
こんな人におすすめ
- 殺人なしのミステリー小説を読みたい
- 変わった舞台のミステリー小説を読みたい
- 話題のミステリー小説を読みたい
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
『成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。』引用元:KADOKAWA
感想
大学生の就職活動が舞台。とある先進企業の最終選考に残った六人の就活生が登場人物。内定を賭けて巻き起こる青春ミステリです。
ミステリー小説というと殺人事件が舞台になるみたいなことを思い浮かべますが、本作は就職活動が舞台です。文量は軽めで、サクサク読み進められます。とはいえ物語はちゃんとミステリーらしく、何度も転がりながら進んでいくミステリー小説ならではの感覚を味わうことができます。ミステリー小説って重たそうだし頭が追いつかないかも…みたいな心配はなく、軽めに読めてミステリー感を味いたいという方には良い作品かと思います。
大学生の就職活動という人生の重大な岐路においては悪い意味での人間性が見えるものかもしれません。直接的に他者を貶めることはなくても他者と比べて自分の優位点を示していく必要があります。現実の就職活動では他者との争いみたいな感覚はあまりないものかもしれませんが、裏にはそういう面があり、それと真っ当に対峙しなければならなくなったとき現れる人間性。就職活動を極端な縮図にしたらこんな感じなのかもしれない。自分もそうかもしれないと否定しきれない感覚、他の人もそうだろうと疑う感覚、就職活動における隠された本性を曝け出しているような爽快感を私は感じました。
好みの問題ですが、結末は私としては物足りなさというかもやっとしたまま読み終わってしまったという感覚でした。ただそれは、自分が思った方向に進まなかったというだけで、話が成り立っていないとかそういうことではもちろんないので、ここは読者間で感想を交し合いたい部分になるかなと思います。
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※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。
まとめ
以上、浅倉秋成さんの「六人の嘘つきな大学生」の読書感想でした。
殺人のないミステリーでもこれほど緊張感が味わえるものかと感心しました。就活が舞台というのも個性的ですよね。
未読の方は是非手に取ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。