読書感想です。今回はケン・グリムウッドさんの「リプレイ」です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。
作品情報
- 作品名:リプレイ
- 作者 :ケン・グリムウッド
- 出版社:新潮社(新潮文庫)
- 頁数 :528P
こんな人におすすめ
- 人生や時間について深く考えたい
- SFやタイムループものが好き
- 感情移入しやすいドラマを求める
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
『ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。気がつくと学生寮にいて、どうやら18歳に逆戻りしたらしい。記憶と知識は元のまま、身体は25年前のもの。株も競馬も思いのまま、彼は大金持に。が、再び同日同時刻に死亡。気がつくと、また――。人生をもう一度やり直せたら、という窮極の夢を実現した男の、意外な、意外な人生。』
引用元:新潮社
感想
もし人生をやり直せたら
読み進めるうちに自分自身の人生について深く考えさせられる一冊です。
一度死んだ主人公が過去に戻り、再び人生をやり直すという独特な設定が印象的な作品です。「もし人生をやり直せたら?」というテーマが中心です。時間のループを繰り返す設定は、SF好きにとって魅力的な要素です。
「もし自分が同じ状況だったらどうするだろう?」と想像せずにはいられません。
密度の濃い人間ドラマ
ですが、派手な科学描写や複雑な理論よりも、心理描写や人間ドラマに重点が置かれているので、普段SFをあまり読まない人でも楽しめるかと思います。
物語そのものは非常にシンプルなのに、そこから生まれる感情や思考は複雑で、読んでいる間ずっと心が揺さぶられる感覚がありました。
生き方を考える
この作品が印象的なのは、単なるエンターテインメントとして楽しめるだけでなく、「人生とは何か」「人は何度生き直しても本当に満足できるのか」という深い問いを投げかけています。
人生の選択、後悔、時間の重みといったテーマが頭の中に残ります。哲学的な問いかけが多く、読後に自分の生き方を見直したくなります。
日常の中で何気なく過ごしている瞬間がどれほど大切なのか、改めて気づかされるような気持ちになりました。
派手な展開や劇的な結末もありますが、じわじわと心に染み込んでくるような作品です。
以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。
感想(ネタバレ有り)
他の読者の感想
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※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。
まとめ
以上、ケン・グリムウッドさんの「リプレイ」の読書感想でした。
時間のループという非現実的な設定を通して、むしろ現実の人生の儚さと尊さを際立たせています。読み終えた後、自分の人生について深く考えるきっかけを与えてくれる、心に残る一冊でした。
未読の方は是非手に取ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。