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リカバリー・カバヒコ/青山美智子 -感想- 不調を治してくれる不思議なアニマルライド

読書感想です。今回は青山美智子さんの「リカバリー・カバヒコ」です。
2024年本屋大賞ノミネート作品です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。

作品情報

  • 作品名:リカバリー・カバヒコ
  • 作者 :青山美智子
  • 出版社:光文社
  • 頁数 :240P

こんな人におすすめ

 
こよい
  • 心温まる小説が読みたい
  • さらっと読みやすい小説が読みたい
  • 本屋大賞ノミネートした有名作品を読みたい
 

特徴グラフ

※私個人の見方・感想です。

話の明るさ
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読み応え
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過激表現
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あらすじ

『新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで、”リカバリー・カバヒコ”。
アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。急な成績不振に悩む高校生、ママ友たちに馴染めない元アパレル店員、駅伝が嫌でケガをしたと嘘をついた小学生、ストレスからの不調で休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長……』

引用元:光文社

概要・感想

心温まる短編集
青山美智子さんらしさ溢れる心温まる短編集です。アニマルライドのカバを軸にして、全五話の物語が描かれます。

抜群の読みやすさ
短編集という構成ならではですが、一話ごとに話が区切られており一話一話が短めですので、時間が限られていても読み進めやすいです。それに加えて文章がとても柔らかくすっと頭に入ってくるため、あっという間に読めてしまいます。気に入った話を何度も繰り返し読みたくなります。

誰もが共感できる苦悩
例えば足が痛いとか目が悪くなってきたとか、そんな身体の不調を抱えると心もそれに引きずられてしまいますよね。仕事や周囲の人との関係などに影響が出てくると尚更です。そんな誰もが似たような経験をしたことがあるような身体の不調からくる心の不調を抱える人物たちが主役です。共感出来るだけではなく、前向きになるためのヒントを与えてくれるような物語です。

愛らしいアニマルライド
そんな物語の軸として現れるのが、とある公園に設置された「カバヒコ」という愛称で親しまれるカバのアニマルライドです。あらすじにもあるように、カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説があります。身体の不調を抱える登場人物たちは色々な形でカバヒコと出会い、そこから物語は動き出します。

以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。

ここで一呼吸…
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感想(ネタバレ有り)

続きを読む ※ネタバレ注意

カバヒコの不思議な力
カバヒコには本当に不思議な力があるように見えますね。どのお話もカバヒコと出会って触れたタイミングから事態が動き出しています。カバヒコには身体を治す力があるのではなく、その時必要な人と人との繋がりを生む力があるのかなというように見えました。

私たちの近くにもカバヒコはいる?
前向きになるために必要なのはちょっとしたきっかけだけなのかもしれません。

飼っているペット、大事にしている人形やぬいぐるみなど、言葉は発しなくても自分を見てくれている、うまくいくようにおまじないをかけてくれているような存在。誰にでも身近にカバヒコのような存在がいて、そこにきっかけが潜んでいるような期待をしてしまいます。

お気に入りの話
私は第五話の「和彦の目」が心に残っています。
お互いに意地を張ってしまうような親子の微妙な距離感。親子でなくても何だかそんな風になってしまうような相手っていたりしますよね。

間に立ってくれる妻の美弥子さんが素敵でした。いきなり白黒付けるのではなく、まずはアレンジしながら進んでみたらいい、という考えには、読んでいる私も救われたような気持ちになりました。柔軟な考えを与えてくれる人が側にいるのは羨ましいことです。

リカバリー・「リカバリー・カバヒコ」
この小説は全五話それぞれのタイトルに身体の部位が示されています。現実でその部位に不調を感じたとき、その部位の話を読んだらリカバリーができるかもしれませんね?

それは半分冗談として、心の不調を感じたときにこの小説を読むことで、改めて共感できる話と出会えたりやそこから前向きになれるヒントがもらえるかもしれません。そんな効果があるような小説にも思えました。

他の読者の感想

こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。

読書メーター/リカバリー・カバヒコ

まとめ

以上、青山美智子さんの「リカバリー・カバヒコ」の読書感想でした。
Audible版も発売されています。この作品が気になった方はお好みの方法で是非触れていただけたらと思います。

Audibleの登録はこちら。無料体験もありますので良ければ見てみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。