読書感想です。今回は中村文則さんの「教団X」です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。
作品情報
- 作品名:教団X
- 作者 :中村文則
- 出版社:集英社(集英社文庫)
- 頁数 :608P
こんな人におすすめ
- 宗教、哲学、物理に関心が持てる
- 一般的とは言えない独特な思想に触れてみたい
- テレビ番組でも紹介された傑作小説を読みたい
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
『突然自分の前から姿を消した女性を探し、楢崎が辿り着いたのは、奇妙な老人を中心とした宗教団体、そして彼らと敵対する、性の解放を謳う謎のカルト教団だった。二人のカリスマの間で蠢く、悦楽と革命への誘惑。四人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国の根幹を揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、そして光とは何か。』
引用元:集英社
感想
要素が盛りだくさん
性質の異なる二つの宗教団体が中心に描かれる物語です。それぞれの教義や背景が主に描かれるのですが、宗教、哲学、物理、…と様々なテーマが登場し、かなり盛りだくさんの内容になっています。
印象の多様さ
盛りだくさんが故に、それらをどう受け取るかでこの小説の印象が異なってくると思います。出てくる思想に興味を持てるか、物語の展開に重きを置くか、登場人物への共感を求めるか、そういった小説への向き合い方によっても印象が変わりそうです。要するに、多様な面を持った小説であるというように私は感じました。
劇的な展開
私は様々な思想に触れることがこの小説の肝だと思っていますが、ハラハラドキドキするようなエンタメ性もあります。ボリュームがあり、またテーマがテーマなために胃もたれしそうにも思うかもしれませんが、興味深い思想と物語の展開とのバランスによって意外とさらっと読み進められます。
共感しながら読むものではない
登場人物に感情移入しながら読む小説ではなくあくまで客観的に読む小説だと思います。というのも感情移入できる登場人物がほぼおらず、そもそもそうさせるつもりもなくただ一般的とは言えない様々な思考が表現されており、それに触れることで自分がどう思うかを考えるための小説だと私は受け取りました。
以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。
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感想(ネタバレ有り)
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まとめ
以上、中村文則さんの「教団X」の読書感想でした。
未読の方は是非手に取ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。