読書感想です。今回は夏川草介さんの「神様のカルテ」です。
夏川草介さんのデビュー作で、2010年本屋大賞2位。映画やドラマ化もされている有名作品です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。
作品情報
- 作品名:神様のカルテ
- 作者 :夏川草介
- 出版社:小学館(小学館文庫)
- 頁数 :256P
こんな人におすすめ
- 医療ドラマが好き
- 人間関係の温かさを求める
- 読書初心者や心温まる作品を探している
特徴グラフ
※私個人の見方・感想です。
あらすじ
『栗原一止(いちと)は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、29歳の内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。妻・ハルに献身的に支えられ、経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、日々の診療をなんとかこなしている。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、死を目前に控えた高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。』
引用元:小学館
感想
医療ドラマ
医療現場を舞台にした心温まる小説です。
主人公の栗原一止は、長野県松本市の本庄病院で働く内科医で、患者に真摯に向き合う姿勢が印象的です。
本庄病院は「24時間365日対応」を掲げるものの、慢性的な医師不足に悩まされており、一止は過酷な労働環境の中で日々奮闘しています。
医療現場のリアルな描写や、医師や患者の葛藤が丁寧に描かれています。
医療現場の厳しさや人間関係の温かさを描きながら、生と死、そして人間の尊厳について深く考えさせられる内容となっています。
一止の患者に対する真摯な姿勢や、仲間たちとの絆には感動と共感があります。
明るい雰囲気を作り出す登場人物たち
医療現場を舞台としており深刻なテーマを扱っていますが、ユニークな登場人物たちによって全体としては明るい雰囲気で作られています。
例えば、主人公の一止は周囲から変人扱いされており、院内での看護師たちとの軽妙なやり取りにはクスッとさせられます。
また彼の住まいである「御嶽荘」には個性的な住人たちが暮らしています。
親しみやすい作品
長野県の自然や地域医療を舞台にしており、地方ならではの人間関係や生活感も丁寧に描かれています。
都会とは違う医療の形や人々の暮らしも楽しめます。
文章は平易で読みやすく、ストーリーも親しみやすいので、普段あまり本を読まない方でもスムーズに読めます。
また、読後感が温かく心に響く作品です。
以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。
感想(ネタバレ有り)
他の読者の感想
こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。
まとめ
以上、夏川草介さんの「神様のカルテ」の読書感想でした。
医療に携わる人々だけでなく、すべての人にとって大切なテーマを扱った作品です。人間の生き方や他者との関わり方について考えるきっかけを与えてくれる一冊として、多くの方におすすめしたいと思います。
未読の方は是非手に取ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。