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八月の御所グラウンド/万城目学 -感想- 直木賞受賞!これが万城目ワールド

読書感想です。今回は万城目学さん「八月の御所グラウンド」です。
第170回 直木賞受賞作です。
ネタバレは含みません。

作品情報

  • 作品名:八月の御所グラウンド
  • 作者 :万城目学
  • 出版社:文藝春秋
  • 頁数 :208P

こんな人におすすめ

 
こよい
  • 文学賞受賞作を読みたい
  • ちょっと不思議な物語を読みたい
  • 青春物語を読みたい

特徴グラフ

※私個人の見方・感想です。

話の明るさ
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読み応え
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過激表現
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あらすじ

『(前略)
女子全国高校駅伝ーー都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。
謎の草野球大会ーー借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。

京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとはーー
(後略)』引用元:文藝春秋

感想

二つの短編で構成されています。いずれも京都が舞台になっています。

「十二月の都大路上下ル」
全国高校駅伝を舞台に、出場選手となる女子高生が主人公のお話。表題作に比べると短めの作品です。登場人物の女子高生たちの純粋な運動部の青春という感じがとても爽やかです。基本は爽やか青春ストーリーという感じですが、登場人物の個性にどきどきわくわくさせられたり、???となるような万城目さんの特徴的な不思議な場面が混じってきたりで、単なる青春ストーリーで終わらない幅の広さを感じる物語でした。爽やかなままでなく他の感情がほのかに湧いて揺れる感じが心地よいです。

この作品単品でもとても面白いですが、次の表題作への助走としても活きているように思います。この作品でこの本を読むリズムが整います。

「八月の御所グラウンド」
表題作です。変わった草野球大会に参加する大学生が主人公のお話。
主人公のやるせなさに私は共感してしまいすっと物語の中に引き込まれました。なぜか参加することになった草野球大会、そこで出会う登場人物や不思議な出来事を通して主人公は何かに気付いていきます。文章から情景が容易にイメージできて、自分が体験しているような感覚になりました。途中から重いテーマが見えてきますが、気持ちが沈むようなものではなく主人公および読者に何か気付きを与えてくれる味わい深い仕掛けになっているように思います。終盤、映し出される景色と物語が醸し出す雰囲気に胸が熱くなります。読み終えた後の清々しさがとても気持ち良いです。

登場人物の登場する意味が明確な作品は好みですね。読み手に委ねられるようなものも良いですが、そこまで深く読めずにもやっと終えてしまうこともそれなりにあるので。

短編2つともすっと頭に入ってくる文章でとてもスムーズに読み進められました。何気ない一幕にちょこっとファンタジー要素が入り込むことで物語に奥行きを感じます。万城目さんの作品は初めて読みましたが、これが特徴ということを目にしたので他の作品も気になります。

他の読者の感想

こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。

読書メーター/八月の御所グラウンド

まとめ

以上、万城目学さん「八月の御所グラウンド」の読書感想でした。
万城目学さんワールドの真骨頂。楽しく不思議な世界をお楽しみいただきたいです。
未読の方は是非手に取ってみてください。

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ちなみに直木賞含めた文学賞について簡単にまとめた記事もありますので、よければこちらもご覧ください。

名前だけ知っている「文学賞」の特徴と「歴代受賞作品」

最後までお読みいただきありがとうございました。