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ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人/東野圭吾 -感想- “黒い魔術師”が個性的な手法で殺人事件に挑む

読書感想です。今回は東野圭吾さんの「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。

作品情報

  • 作品名:ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人
  • 作者 :東野圭吾
  • 出版社:光文社(光文社文庫)
  • 頁数 :520P

こんな人におすすめ

 
こよい
  • ミステリーが好き
  • 読みやすい文章でさらっと読める小説を読みたい
  • 登場人物が魅力的な小説を読みたい
 

特徴グラフ

※私個人の見方・感想です。

話の明るさ
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読み応え
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過激表現
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あらすじ

『故郷で父が殺害された。仕事と結婚準備を抱えたまま生家に戻った真世は、何年間も音信不通だった叔父・武史と再会する。元マジシャンの武史は警察を頼らず、自らの手で犯人を見つけるという。かつて教師だった父を殺した犯人は、教え子である真世の同級生の中にいるのか。コロナ禍に苦しむ町を舞台に、新たなヒーロー”黒い魔術師”が手品のように華麗に謎を解く長編ミステリー!』

引用元:光文社

感想

王道ミステリー
東野圭吾さんの作品なのでそれはそうでしょうというところですが、間違いないクオリティのミステリー小説です。わりとポップな雰囲気な作品となっています。コロナ禍という現実社会の問題が物語に自然に組み込まれていることも特徴です。そして、その中で起こる殺人事件。ミステリーとしての面白さはもちろん、コロナ禍という状況が事件にどう影響を与えるのか、という点にも興味深く読み進めました。

魅力的な探偵役
本作の最も大きな魅力と感じたのは特徴的な探偵役の存在です。あらすじにもある通り、元マジシャンが事件解決に挑むということで、その過程には元マジシャンという特徴を活かした個性的な手法が用いられワクワクできます。

良くも悪くも安定
とても読みやすい文章でさらさら読み進めることができます。ページ数はそれなりにありますが、それを感じさせず軽やかさがあります。際立った個性のある作品かというとそうではないかもしれませんが、物語は安定して面白く、また上に書いたような本作ならではの特徴も持ち合わせています。

以下、内容に触れた感想を記載しますので、開く際はその点ご了承ください。

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感想(ネタバレ有り)

続きを読む ※ネタバレ注意

黒い魔術師が良い
元マジシャンの武史は好き嫌いが分かれそうなキャラクターかもしれませんが私は個性的で好みなキャラクターでした。破天荒で型破りでふらふらしているようで一貫した軸を持つ、何者なのかと興味を惹く魅力がありました。目線の挙動で推理をするという一見曖昧さを感じるような手法も場をコントロールするための仕掛けの一つであるというような、手品に通じる解決方法、元マジシャンという視点から事件を見ることで、新たな発見があるのも面白いと感じました。

キーパーソンすぎる犯人
コロナ禍で寂れた町の町おこしという面でもキーパーソンだった人物で、真世の他の同級生たちは犯人にしては影が薄く、メタ的な見方で何となく犯人の当たりがついてしまうような感触がありました。ミスリードとしてお金関係や不倫の話題などが出てきましたが、殺人に結びつくような強い動機には見えず私としては並行した別の話題に見えてしまいました。かといって犯人の動機もあまり説得力のあるものではなく、事件の結末としてはやや拍子抜け感はありました。ただそれに余りある過程の面白さだったと私は思います。

続編が気になる
真世と健太のその後や武史の過去など気になる要素を残した終わり方でした。続編がすでにありますが、神尾一家の事件は完結しておりどんな物語になるのか、本作で残した気になる要素は引き継がれていくのか。”黒い魔術師”の興味深い視点をまだまだ見てみたいという気持ちもあり、続編がとても気になります。

3行でネタバレ(開く際は要注意!!!)

続きを読む ※ネタバレ注意
主役は”真世”、その叔父の”武史”(元マジシャン)。故郷の町で真世の父”英一”(教師)が殺される。
“武史”が元マジシャンらしい手法で調査。英一の教え子である真世の同級生たちの行動を探る。
真世の同級生の一人である人気漫画家”釘宮”が犯人。人気漫画に隠された秘密が明かされることを恐れたことが動機。

他の読者の感想

こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。

読書メーター/ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

まとめ

以上、東野圭吾さんの「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」の読書感想でした。
未読の方は是非手に取ってみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。