当サイトの本に関する記事はすべてネタバレに配慮しています。御気軽にお読みください。

今月読んだ本をまとめてご紹介【2024年11月】

今月読んだ本をまとめてご紹介します。

シリーズ物は基本的に除きます。(1作目だけは紹介します。)

おすすめ度のランク付けもしてみます(個人的な好みという意味合いが大きく、出来を評価するものではありません、というか私にはそんなことできません)。

選書のご参考になればうれしいです。

それではどうぞ。

1.沈黙/遠藤周作 [4.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。』

引用元:新潮社


 
こよい
苦しい場面が多いですが、考えさせられるテーマが面白いです。じっと考え込みたくなるような物語を読みたい方におすすめ。

感想記事:沈黙/遠藤周作 <あらすじ・感想・考察> 神は存在するのか。信じることの意味を問う。

2.蜜蜂と遠雷/恩田陸 [4.5]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『俺はまだ、神に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。
養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。
彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?』

引用元:幻冬舎


 
こよい
直木賞、本屋大賞受賞作。ピアノを聴く代わりに文章で表現されたものを読むことで音楽の良さを体感できるのは衝撃でした。

感想記事:蜜蜂と遠雷/恩田陸 <あらすじ・感想・考察> 才能を目にする気持ちが良い

3.先祖探偵/新川帆立 [4.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『邑楽風子は、ジーンズしか穿かない。彼女は親を知らず、天涯孤独の身。東京は谷中銀座の路地裏で、先祖を専門に調査する探偵事務所を開いている。「曽祖父を探して」「先祖の祟りかもしれないので調べてください」……とさまざまな調査依頼が舞い込む──。宮崎、沖縄、岩手などで美味しい料理を楽しみながら、マイペースで仕事をする孤高のニューヒロイン。単行本時、続々重版した新たなハードボイルド小説の傑作。』

引用元:角川春樹事務所


 
こよい
先祖を辿るという題材が個性的で興味を惹きます。ミステリーとしてうまく絡み合っており、また単なるミステリーに留まらない人間ドラマがあります。充実感の大きい作品です。

感想記事:先祖探偵/新川帆立 <あらすじ・感想・考察> 先祖を辿り、家族の謎を追う。

4.R帝国/中村文則 [3.5]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『国家を支配する”党”と、謎の組織「L」が存在するR帝国。戦争が始まり、やがて世界は思わぬ方向へと暴走していく。世界の真実を炙り出す驚愕の物語。』

引用元:中央公論新社


 
こよい
近未来的なディストピア小説。実は今の現実もこうなのでは?と思わされる風刺の効いた作品です。徹底されたディストピア感が好印象。

感想記事:R帝国/中村文則 <あらすじ・感想・考察> このディストピアは近い未来?現在?

5.死者の奢り・飼育/大江健三郎 [4.0]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『死体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある抒情「死者の奢り」、療養所の厚い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌「他人の足」、黒人兵と寒村の子供たちとの無残な悲劇「飼育」、傍観者への嫌悪と侮蔑をこめた「人間の羊」など6編を収める。“閉ざされた壁のなかに生きている状態”を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集。』

引用元:新潮社


 
こよい
ノーベル文学賞作家である大江健三郎さんのデビュー作を含めた短編集。一般教養として読んでみようと思い、読む前は難解なのかなと臆していましたが、シンプルに面白いです。小説ってこういうものだというのを改めて気づかされました。難しく考えずに読んでみてください。

感想記事:死者の奢り・飼育/大江健三郎 <あらすじ・感想・考察> ノーベル文学賞作家の初期作品集

6.黒猫の三角/森博嗣 [4.5]

(個人的)おすすめ度:


あらすじ

『1年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、6月6日、44歳になる小田原静江に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静江は殺されてしまう。
森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第1作、待望の文庫化。』

引用元:講談社BOOK倶楽部


 
こよい
森博嗣さんのVシリーズ第1作。S&Mシリーズからの流れで読みました。ミステリーとしてだけではなく、そこに入り混じる数学や哲学的な思想に触れるのが個人的な楽しみ。登場人物が魅力的でシリーズの後続作品も楽しみになります。

感想記事:黒猫の三角/森博嗣 <あらすじ・感想・考察> Vシリーズ第1弾。数学、哲学、そして密室殺人。