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硝子の塔の殺人/知念実希人 -感想- ミステリーの一つの到達点?

読書感想です。今回は知念実希人さん「硝子の塔の殺人」です。ミステリー小説です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。

2022年本屋大賞ノミネート作品。

作品情報

  • 作品名:硝子の塔の殺人
  • 作者 :知念実希人
  • 出版社:実業之日本社
  • 頁数 :504P

こんな人におすすめ

 
こよい
  • 話題のミステリー小説を読みたい
  • 大のミステリー好き
  • ミステリーの醍醐味を存分に味わいたい

特徴グラフ

※私個人の見方・感想です。

話の明るさ
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読み応え
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過激表現
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あらすじ

『(前略)雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、刑事、霊能力者、小説家、料理人など、一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。この館で次々と惨劇が起こる。館の主人が毒殺され、ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。さらに、血文字で記された十三年前の事件……。謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。散りばめられた伏線、読者への挑戦状、圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。著者初の本格ミステリ長編、大本命!(後略)』引用元:実業之日本社

感想

まず最初の入りを読んで、これからどう展開するつもりなのだろうとわくわくしながら読み進めました。いわゆるクローズドサークル系のミステリー小説ではありますが、展開は想像を超えてきます。中盤から終盤にかけての展開には本当に恐怖感、緊張感を抱きました。500ページを超える作品ですが、最後まで転がり続ける話に目が離せず、後半は寝る間も惜しんで一気読みしてしまいました。

話の中に他の名作ミステリー小説がいくつか出てくるのですが、それらについても読んでみたくなりました。もっと言えばミステリー小説の歴史を追ってみたくなりました。それほどミステリー小説の奥深さを改めてこの作品を通じて知ることができたように思います。

以下、内容に触れながら感想を記載します。開く際はネタバレが含まれることをご了承ください。

感想(ネタバレ有り)

続きを読む ※ネタバレ注意

倒叙ミステリーとして「硝子館の殺人」が本筋かと思いきや、二転三転、驚きの展開でした。物語構造として、主人公の一条遊馬と碧月夜の複雑な関係性、クローズドサークルという状況、密室、読者へ挑戦状、などなどミステリーの王道要素てんこ盛りで、逆にチープに見えるような序盤から中盤にかけての展開は、終盤に向けた大きな布石となっていたんですね。

犯人をどう捉えるかがこの作品の評価を分ける部分でしょうか。
キャラクターとしては個性的で魅力的な人物でしたが、やはり動機が理解しがたいため本格ミステリーとして読むと受け取り方がぶれてしまう印象はあります。とはいえ、面白い背景を持ったキャラクターでそれを体現した結果であるという意味では筋が通っており、この物語を成り立たせるには不可欠な、良い登場人物だったと私は思いました。「名犯人」…ちょっとわくわくしますよね。

過去の名作を思わせるようなシーンや、作品そのものに触れる場面もあり、ミステリー小説好きはニヤッとしてしまう場面があったのではないでしょうか。またそこからその作品への興味も湧いてきて、古典作品も読んでみようかなという気に私はなりました。

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他の読者の感想

こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。

読書メーター/硝子の塔の殺人

まとめ

以上、知念実希人さん「硝子の塔の殺人」の読書感想でした。
ミステリー小説の一つの到達点とも思えるような盛りだくさんな作品でした。衝撃の結末を体感していただきたいです。
未読の方は是非手に取ってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。