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きみはポラリス/三浦しをん -感想- 三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛…様々な形の愛や恋を知る短編集

読書感想です。今回は三浦しをんさんの「きみはポラリス」です。
記事前半はネタバレは含みません。「続きを読む」を押さない限りネタバレ内容は見えませんので未読の方も安心してお読みください。

作品情報

  • 作品名:きみはポラリス
  • 作者 :三浦しをん
  • 出版社:新潮社(新潮文庫)
  • 頁数 :400P
  • 書影出典:三浦しをん『きみはポラリス』(新潮文庫刊)

こんな人におすすめ

 
こよい
  • 恋愛小説が読みたい
  • さらっと読みやすい形式の小説が読みたい
  • 様々な形の恋愛にいっぺんに触れたい

特徴グラフ

※私個人の見方・感想です。

話の明るさ
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読み応え
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過激表現
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あらすじ

『どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている──。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。』

引用元:新潮社

感想

多様な恋や愛
本作は恋愛をテーマにした短編集で、様々な形の「愛」が描かれています。この作品集は、恋愛だけでなく、人間の心の複雑さや、多様な感情が巧みに描写されており、感情の深さに引き込まれる内容です。

この短編集を通して感じたのは、愛には一つの形やルールがないということです。それぞれの物語が、恋愛という枠組みの中でありながらも、異なる視点や状況から描かれています。たとえば、ある話では幼い頃の憧れや切ない片思いが描かれている一方で、別の話では大人同士の複雑な関係や自己犠牲のような深い愛情が描かれています。この多様性が、恋愛や人間関係に対する普遍的な理解を深めてくれます。

美しいばかりではない
登場人物たちの感情が非常にリアルに描かれています。彼らの抱える不安や期待、迷いなどは、自身の経験とも重なります。恋愛は決して簡単ではなく、時には痛みや苦しみを伴うものですが、それでも愛すること自体が人生の一部であり、避けられないものであるということを感じます。

重たいばかりではない
前半のお話は切なかったり、禁断の…と表現されるような心にずっしりくるものが多く、恋愛というテーマも相まってこのまま読み進められるだろうかと重たい気持ちになりかけます。ただ、その先で明るめの話だったり異なる視点での話が続いていき、気付くと次へ次へと進んでいけます。短編集という形式の良さでもあり、またその上で構成のバランスが良かったなと感じました。

考えを深めるきっかけとなる
恋愛の複雑さと美しさを再認識させる作品でした。私たちが日常で感じる微細な感情や、他者との関わりの中で生まれる心の動きが、いかに繊細で多面的であるかを改めて考えさせられました。誰にでも共感できる要素が詰まっているため、自身の恋愛観や人間関係について考えを深めるきっかけとなるように思います。

私が一番好きだったのは「冬の一等星」でした。ちなみにポラリスとは現在の北極星で、こぐま座で最も明るい恒星で2等星だそうです。

ここで一呼吸…
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他の読者の感想

こちらをご覧ください。
※ネタバレ感想も含まれますので見る際はご注意ください。

読書メーター/きみはポラリス

まとめ

以上、三浦しをんさんの「きみはポラリス」の読書感想でした。
未読の方は是非手に取ってみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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